2010年1月13日水曜日

カナダからの便り

先日、昨年10月にカナダの姉妹校を訪問した時にお世話になったバンクーバーの近くに住んでいるブラッドさんから便りが届きました。新年のあいさつを兼ねて、オリンピックが近づいてきての複雑な心境が書かれていました。今、バンクーバーはオリンピックを控えて国全体も熱くなっているようなのですが、実はその裏でオリンピックにかけるお金のために教育予算が削られて現場では苦労しているとの事でした。昨年まで買えていた教材が買えなかったり、教育に支障が出てきているとのことです。国威高揚も大切だが、教育に支障をきたしてまでオリンピックにお金をかける意義があるのか、世界で一番住みやすいと都市に挙げられたバンクーバーにこれ以上、何が必要なのか?オリンピックのためだと、また道路も作ったり、新しい電車路線も作ったり、本当にそこまでしなければならないのか?疑問であるとの内容でした。どこかの国(日本もそうでしたが)もオリンピックで新しい建物や交通網が整備されますが、そのお金の出所はすべて税金であり、その工事によって潤う業者や関係者にとってはありがたい話でしょうが、教育や福祉の予算まで削られてはたまったものではありません。しかし、実際は限られた財政の中で、無理をすると一般的にはいつも弱い立場の教育や福祉の予算が削られます。カナダは世界で一番の金メダルをとるために特別の予算編成をし、選手を4年前から大学の研究機関も一緒になって科学的な強化してきました。しかし、そこまでしてとる金メダルに本当に価値があるのでしょうか?実は私は昨年、東京にオリンピックが決まらなくて良かったと思っている国民の一人です。地方の経済が疲弊している中、これ以上東京に人と物とお金が集中することに反対だったからです。経済とは、「経世済民」という語彙から発しています。世を経(おさ)め民を済(すく)わなければならない経済が、経済成長率だとかの数字の名の下、貧富の格差、地方と都市の格差をこれ以上生んでしまってはそこに住む人間社会の崩壊につながってしまいます。ブラッドさんの便りから話がだいぶそれてしまいましたが、ブラッドさんはオリンピックは見に行かないとのこと、そのかわり、オリンピックに関係のない静かなスキー場へ家族で行ってきましたとのこと、その写真です。いいですね!

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