2010年9月28日火曜日

高校文化祭によせて

今日から高校の文化祭で、巻頭の言葉を依頼されましたのでみなさんにも読んで頂きたく以下にそのままコピーします。

「阪神淡路大震災のときの興味のある調査資料が奈良女子大学の教授によって発表されている。いきなり予想もしなかった大きな地震を受け被災を受けた人たちは、まずは自分の命の無事を祈った。次に家族、友人、知人の命の無事を祈った。いわゆる生命の確認である。人が人として生きる限り、まず第一に生存の欲求であることは、今までも知られていたことである。ローマ時代でも中国の古代史でも、奴隷になった人は慣れてくると、苦役を感じなくなってきたということも証明されている。つまり、どんな苦役でも奴隷として働いている限り、むやみに殺されないからである。次に人が望むものは、食べること、飲むことである。これも命の助かった被災者の調査ではっきりしているし、先ほどの奴隷も最低限の保障はされてきた。次に望むものは衣服や生活の空間であり、少しでも快適な環境を望むらしい。人として当然のことであり、日本国憲法でも最低限の生活権は国が補償するとなっている。しかし、これだけで人は生きていく力が沸いてこない。仲間との連帯や支え会いも必要不可欠な条件になってくる。今世界中で注目されているチリの採掘現場の生き埋めにされている人たちの長期間に渡る閉ざされた悪環境での生存を支えている状態がまさにこれに当たるのであろう。そして、次に生きていくうえで必要なのが「笑い」であるとされている。スマイルなのである。ぎすぎすとした関係の中では人はストレスによって精神がゆがめられ最後は破壊されてしまう。心の底から笑える何かが人の健全な精神を保っていくためには必要なのである。心の豊かさ、潤いなど相手に対してのコミィニケーション手段として、また、自分自身の幸せ感の実感として人にとって「スマイル」は欠かせないほど重要なものである。今回の文化祭のテーマがスマイルと聞いて、本当に全員が心の底から「スマイル」できることを望みたい。それは前述してきたが、それほど人にとっては生きていくうえで大切な行為だからである。全員が心の底から、今年の文化祭ってやってよかったと思えるよう生徒会の執行部を始め、全生徒会の皆さんに期待をしたい。どこまで真剣にテーマに沿ってプログラムが企画され、各クラス、クラブが参加するのかみてみたい。いいかげんなものならしないほうがましである。次年度は今年の結果をみてただ単なる行事で終わるだけなら一度中止をしてみてもいいのではないかと個人的に考えている。自分たちの貴重な時間をかけるだけの意義がその活動にあるのか見直してもいいのではないかと考えている。本心はそうならないよう祈っているが、より良い歴史をつくっていくためには意図的な断絶も破壊も時には必要なのである。」

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